親が死ぬ前にする10のこと 整理や手続きとサービスについて【必読】

親が末期の癌と言われたり、余命宣告を受けてもう自宅に帰れないとわかったら、あなたはどうしますか?

大事な親を看取るにあたり、悲観する気持ちや今までの思い出を巡らすことだとは思いますが、悲しみに浸っている場合ではいけません。

私は病院で現役で働いている看護師ですが、親の死に目を前にしてただひたすら悲観をしている家族と死んだ後のことを考えて手早に行動している家族の違いを見ることがよくあります。そして悲しみながらも、効率的に手続きや生前整理を実行されている家族の方が、亡くなった後の流れのスムーズさが全く違うということに気づきました。

看護師の私が言うのもなんですが、親の死に直面した時にこそ冷静な判断で必要なことを迅速にするということが重要になってきます。「必要なことと」いうのが分かりづらいと思うので、今回は親が亡くなる前に家族がするべき10のことをお伝えしたいと思います。

 

 

とにかく早く親の銀行預金を引き出す

やはり死後にもめるのが、金銭面や相続に絡む問題です。そして預金がある銀行側が本人の死を知ると、その口座をすぐに凍結してしまうため、家族が預金を引き出せなくなってしまうことに。

「本人が死んだら口座が凍結される」ということを知ってる人は少なくないと思いますが、実際にそれを行動に移せる方はそこまで多くはないのが現状です。「まだ大丈夫だろう・・・」と考えていて、いざ状態が悪化して病院から呼び出しがあった時に、駆けつけるともう本人の場所からは離れたくないという家族が圧倒的に多いです。そのため「いざとなったら」と考えていると手遅れになることも・・・

やはり親が余命宣告を受けて自宅に帰れないことがわかったタイミングで、すぐに預貯金や資産状況を把握しておき、金銭管理を家族が出来るしておくことが損をしないコツだと言えます。

※預貯金管理のコツ

「親が死にそうになったら銀行に行こう」の考えは危険です。

看護師でも亡くなる兆候は直前までわからないことも多いので、「亡くなる時」は突然やってくると考えておいた方がいいでしょう。

預貯金を家族が管理するタイミング

  • 「親が自宅に戻らない」とわかった時
  • 「退院は出来ない」とわかった時
  • 余命宣告がされた時

※いざ預金を引き出そうと思っても通帳しか持っておらず、預金を引き出すのが困難になってしまうケースが非常に多くあります。上記のタイミングで出来るだけ早くキャッシュカードを作り、暗証番号を聞いておくといざという時に安心です。

 

 

遺言がないか確認する

近年では「終活」ブームもあり、自分で死後のことや生前整理を考える方も多くなっています。

「自分の親はそんなことはしないだろう」と思っていても、意外に入院中の患者さんは家族に隠れてエンディングノートを書いている方も多いんですよ!

もしかしたら他の子供や妻などに遺言を書いて渡している可能性もあります。特にあなたがご本人と別居をしていて、ご本人に他の同居家族がいるような場合には遺言をその同居している家族に渡している場合もあるので注意が必要です。

そしてこの遺言は正式なものであれば、法で定められた相続よりも何より強力なものになります。

ですので死後の遺産整理や片づけをするにあたり最も重要なものとなるので、まずは身内や家族でこの遺言の有無を確認するようにしましょう。

兄弟や家族を集めて相続や資産の話し合いをしておく

死後に問題となるのがご本人名義の土地や家などの資産です。自分には相続なんて関係ないと思っている方ほどトラブルになりやすいので注意しましょう。

資産が少ない人ほどもめやすい

このサイトでも様々な相続問題を取り上げてきましたが、やはり家や土地といったものは簡単に分割できないため相続で揉めやすいという特徴があります。「家はボロ屋だからもらってもしょうがない」「田舎の土地なんか使う人がいないよね」と思っている人ほど、実際に死後に、残された少ない資産で揉めるといった傾向があるので資産がないから相続は関係ないと考えるのは危険です。

お金や資産が少なければ少ないほど、その少ない資産を巡って家族とトラブルになりやすいことを理解しておきましょう。

ですので親が自宅に帰れないとわかった段階で、今ある自宅や土地をどうしていくのか、家族や兄弟間で早いうちから話し合って方向性を決めておくことが重要です。

また家にお家や土地においては「後で決めるからいいや」と放置をしてしまうと、所有者が不在になって3年が経つことで売却する際の税金が高額になってしまったり(最高で600万円ほどの損失がでます!)するので注意が必要です。ですので「死にそうになったら」「亡くなった後に」考えるのではなく、今どうするべきかを考えていくようにしましょう。

※参考記事

家の片づけを考える

亡くなる方が住んでいた家や土地を相続したり処分する話は進んでも、その家の現状をどうするかという問題が出てきます。すでに施設などに入居していて自宅がきれいに片付いている場合には問題がありませんが、直前まで自宅で生活をしていて、一人暮らしなどの場合にはその自宅環境はかなり劣悪なことが予想されます。

ゴミや不用品の処分だけでなく、必要なものと要らないものを分別する手間もかなりの負担になるので、人手があるようであれば早めに取り組んで効率的に自宅の片づけをすすめていきましょう。

こちらも後回しにすることで、近隣住民へ迷惑や苦情につながったり、空き家になってしまうことで害虫や放火、犯罪の温床などのトラブルにつながる可能性もあります。

こちらの記事を参考に自宅の片づけを効率的にすすめていきましょう。また自分たちだけではどうにもならない場合や、さまざまな手続きや仕事が忙しくて片付けの時間や余裕がない場合には、費用は発生しますが業者に依頼することもできます。

どんなに劣悪な環境(最悪の場合孤独死で放置された家などの片付けなど)でも対応可能なので、自分たちでは難しいと思った場合には以下のような整理業者に相談してみるのもおすすめです。

 

葬儀や業者の手配をする

亡くなる前から葬儀ことを準備するなんて不謹慎だ!と思う方もいるかもしれません。しかしどう見ても回復しないと分かったら、葬儀や業者の手配を始めた方が絶対に効率的といえます。

焦って業者を決めると100万円近い損失も

事前に頼む業者やコネがある葬儀業者があれば良いのですが、全くあてもないような場合には、業者の選び方によっては、数十万円~百万円もの損失が出てしまう可能性もあるのです。

元々ご本人が終活などで、「どのような葬儀をして欲しいか」という意志を生前に表明していれば、その通りに行えるのですが、全くそのような意思表示がされていない場合には、ご家族の判断で全て葬儀の手配を進めていかなければいけません。

さらに業者のツテも無いとなると、一から業者探しをし何もわからないまま葬儀業者の言いなりで手配を進めていくことになってしまいます。このような葬儀業者は本当に金額がピンキリであり、高額な業者を選んでしまうと言い値で費用が吊り上がり、悪質な業者では平均的な金額より100万以上も葬儀費用を請求されたケースもあります。

葬儀業者は余裕を持って選ぶ

しかしこのような葬儀に関する費用は、一度頼んでしまうと変更や修正が困難というデメリットがあるため、言われるがままにその費用を支払ってしまう方も多いようです。

このような葬儀費用で損をしないためにも、親が亡くなる前に余裕を持って情報収集をしておき予算の範囲内で、理想に近い葬儀が行える業者を選んでおくということが重要です。

もし業者選びのツテや知識がないのであれば、葬儀業者を近くの地域から比較して選べるような、便利なインターネットサイトを利用すると、予算に応じた葬儀業者を選ぶことができます。

このように水面下でもいいので効率的に動いておくと、死後の対応がスムーズに進み、ご家族の負担も格段に少なくて済むでしょう。

生命保険や医療保険の加入状況を確認する

死亡保障や入院保障のための保険に加入しているという方も多いと思いますが、死後は葬儀やさまざまな話し合いなどでこの保険の申請はどうしても後回しにされがちです。

しかし申請期間が過ぎたり、漏れがあったりすると適切に保険金をもらえなくなる可能性もあるため、早めに保険の加入状況を確認し、死後にスムーズに手続きに入れるように準備しておきましょう。

ちなみに生命保険は相続の対象となり相続税が発生してきます。また入院保障などの医療保険も被相続人(相続する人)が受け取る場合には相続税が発生してくるので注意しましょう。

未納金がないか確認する

実はこれは私の身内に合ったケースなのですが、亡くなった方が住民税や医療費を滞納していたことが亡くなった後に催促状が届いて分かりました。

その方の場合まだ若くして亡くなったこともあり、資産や貯金もなく、借金もないだろうと誰もが思っていたので、知識が浅い家族は相続に関しては何も手続きをしていませんでした。しかしそのような滞納料金があると知らないまま月日は流れ、今までの延滞料金なども含め請求額はなんと50万円ほどにものぼってしまいました。

そして死後(相続開始とする日)から3か月が過ぎてしまうと、相続放棄の手続きは出来なくなります。

このような事実を確認した時には、時すでに遅し。相続放棄をする期限も過ぎていたので、その方の家族が延滞金などをすべて支払いました。

もしあなたが「相続なんて関係ない」と思っていても、思わぬところに延滞金などの事実がある可能性もあります。後々になってから「知らなかった」では済まされません。亡くなるタイミングでプラスの資産だけでなく隠れている借金や延滞金などもすべて把握しておくようにしましょう。

架空請求に注意

ちなみに悪徳業者からの架空請求のリスクもあります。このような故人を狙った架空請求で家族から費用を請求するような悪質なものもありますので、万が一身に覚えのない請求が来て不安になった場合には、直接業者と連絡を取らずに「国民生活センター」や身近な弁護士事務所に相談するようにしましょう。

 

高額療養費を申請しておく

入院費が高額になった場合に、所得などに応じて定められた限度額を超えた金額が戻ってきたり、事前に申請をしておくことで窓口での支払いが上限の金額のみにすることが出来るのがこの「高額療養費制度」です。

手続きや申請方法はこちらの記事を参考にしてください。

 

ちなみに死後の高額療養費については、同居の世帯主に払い戻されることになっています。もし亡くなった方が一人暮らしの場合には、法廷相続人(配偶者や子供など)の誰かが代わりに市区町村などに申請をする必要があり、その証明のために戸籍謄本が必要になります。

このように死後に高額療養費の返還の手続きはとても手間がかかります。入院中にこの限度額適応認定証をもらっておくと、退院後(死後)の支払い時に限度額上限までの支払いにとどめることが出来、返還の手続きも不要になるためできるなら入院中(亡くなる前)にこの手続きを済ませてしまいましょう。

お墓のことを考える

葬儀が終われば必然的に、故人の遺骨を埋葬しなければいけません。

もともとお墓があって、そこに納骨をするのであれば問題はありませんが、もしあなたや他の子供が遠方にいてお墓の管理を誰も出来ないような場合には「墓じまい」も視野に入れて考えなければなりません。

もしくは、どこにも入れるようなお墓がないような場合には新たに納骨する場所を考えなければならないでしょう。

意外とこのお墓のことまで考えている方は実際は少なく、葬儀をする頃になって「お墓ってどうするんだろう?」と気づく方も。新しくお墓を用意しなければいけない方も、以前のお墓の管理について不安がある方は一度お墓の相談をしてみましょう。こちらの「いいお墓」なら墓じまいのことも相談出来たり、全国各地の霊園や墓地を8000か所以上から検索することも可能です。

このようなサービスを活用してお墓について見直してみましょう。

お看取りは落ち着いてそばにいてあげる

最後にするべきことで最も大切なことを。

何より亡くなる方が望むのは愛する家族のそばで看取られて逝くことです。

バタバタして耳元で家族が言い争っているような状況ではきっと亡くなる方も安心できないのではないでしょうか?

亡くなる前にどんなに意識がなくなっても、聴覚は死の直前まで機能してて聞くことが出来ているという事実を知っていますか?私達看護師は、付き添うご家族に対し、最後まで声をかけて欲しいと伝えています。それはこのような根拠があるからです。

ですので家族がもっともするべきことは、気持ちを落ち着けてそばにいてあげること。そして大切な家族が安心して天国へ行けるように見守って最後まで声をかけてあげることです。

この記事には医療に携わっているからこそわかる看取りの流れが書いてあるので、ぜひ参考にしてみて下さい。

まとめ

亡くなる前に家族がすべるべき10のことをお伝えさせていただきました。

いざ死に直面すると家族は悲しみや混乱で、何も考えられなくなってしまう方も多いです。落ち着いて亡くなる方を見送るためにも、ここに書いた出来ることを効率的にすすめていく方が安心できて、経済的にもメリットがるといえます。

大切なご家族をとむらうために、今一度何が必要かを考えてみてはいかがでしょうか?