こんにちは、看護師のさやみんです。

私が毎朝出勤する時にひまわり生命の認知症予防保険のコマーシャルを毎日のように見かけるのですが、毎回ふと感じる違和感について、今回はちょっと語ってみたいと思います。

このCMを見ると認知症が予防できるように思える

皆さんもこのCMを見たことがある方も多いと思います。

これを見るとご家族の立場としては、認知症が早く分かって予防ができるなら、この保険入ってみようかなと思う方もいるのではないでしょうか?

もちろんこの保険はそのような子世代や若年のこれから老年期を迎える方をターゲット層に狙って作られているものだと思いますが、認知症が予防できるという点ではこの保険だけではいかがなものかと思うことも多く、ツッコミ所が沢山あるので今回はそこを一つ一つ突っ込んでみたいと思います。

保険だけでは認知症の予防はできない

偉そうに言いきっぱりと言い切ってしまいましたが、これは事実です。

自慢ではないですが、私は毎日30人以上の認知症患者さんと接しています。入院している方から外来で通院している方まで、さまざまな認知症の方を日々見ています。このような認知症の患者さんと毎日接している中で、認知症が改善する予防できるという点については、やはり疑問を感じます。

認知症は徐々に進行していく疾患ですか、確かに定期的に検査を受けることでその診断を早めて早期に対応することは可能です。

そして認知症と診断された場合には、進行していく病気と向き合いながら、安全に自宅で生活できるような生活環境を整えるということが退院調整看護師としての役割の一つといえます。ですので認知症の進行という点では「早期発見・早期治療」はとても重要だと思っています。

しかしここで予防という点ではまた別の話になってくると思います。

「予防」というのは、認知症の進行を防ぐということ

予防の意味とは認知症の発症リスクを少なくしたり、進行を遅らせるといった意味合いの言葉ですよね?あの太陽生命のCMを見た方もきっと、このように理解していると思います。

そして「この保険を利用すれば、少なからず認知症の発症リスクを少なくしたり、進行を遅らせることができるのではないかと思い込んではいませんか?「

認知症予防保険には検診を促す効果も認知症介護をサポートする効果もない

私は気になって、この保険の詳細を自分で調べてみたのですが、私もてっきりあのCMを見てこの保険を利用するためには

  • 定期的な検診を使うことを促すなどの効果がある
  • 認知症と診断された時にはその介護などをサポートしてくれるようなサポートが付いている

と思っていましたが、残念ながらこの認知症予防保険にはそれに該当するようなものは何もありませんでした。

ただ2年ごとという定期的にお金が貰えて、認知症と診断されれば一定の額が貰えるだけの単純なサービスであるということがわかりました。

しかも認知症と診断されたら、それ以降の2年ごとに貰える3万円はもらうことができなくなります。早期に認知症になればなるほど、もらえるお金は少なくなるといえます。

これでは認知症と診断された後のサポート自体が全くないと言っても過言ではありません。まとめた給付金がもらえるというのはありがたいですが、認知症と診断されてからが戦いなのです。

その認知症の現状があまり理解されていない保険商品なのかなぁと感じたケースでした。

認知症と診断された後の生活の方が重要

この保険だけで認知症を予防することは不可能ですが、もらえたお金で定期的に検診などを受けて早期発見につなげることは可能です。しかし実際は認知症と診断された後にこそ、金銭的にも肉体的・身体的にもサポートが必要になるということを理解しておかなければいけません。

認知症と診断されたら、その進行に応じて生活状況を整えなければならず、デイサービスやヘルパー、生活の見守り、服薬支援などさまざまなサポートを活用しないといけない状況になります。

そうなったときこそこのような保険で認知症の生活をサポートしてくれればいいのにと思ってしまいました。

また認知症になって本人が加害者になってしまうリスクもあります。例えば勝手に車を運転して、人身事故を起こしてしまったり、徘徊をして踏切や高速道路に侵入してしまう可能性もあります。そして万が一損害が発生するような事故を起こしてしまったときの方こそ、保証してもらえるような保険を検討するべきだと私は思います。

認知症予防保険は必要?

正直なところ、私はこの保険内容を聞いてあまり魅力を感じませんでした。現場で認知症の患者さんを見ている立場として最も大変なのは認知症と診断された後の生活のサポートです。

確かに認知症になる前の早期発見と早期対応も重要ではありますが、だったらそれなりの対応を促すような条件をつけるなりにするべきだと思いました。例えば2年ごとに定期検診を受けている方限定とするとか・・・

その様な保険内容であれば、もっと認知症の現状も良くなるだろうし、認知症の早期発見にもなるかと思います。

その様な特徴が何もないような、ただお金をかけて支払うといった単純な保険ではあんまり認知症の日本の現状には効果がないのかなというのが本音です。

つまり、認知症予防保険は認知症予防に意味がないという結論に私はなりました。

認知症にならないためにするべきことは

本気で「認知症を予防したい」と思った場合には、定期的な検診も重要ですが、生活環境を見直すことが一番重要です。食べ物や運動習慣といった自分の生活を根本から見直し、さらには家に引きこもってばかりいないで他人とのコミュニケーションがある生活を送るといったことも大切です。

実際に病院に来ている患者さんを見ると、認知症の方というのはあまり外からの刺激がなく一日中家にこもってばかりいるといった方がなりやすい傾向があります。

ですので、ご家族の方はそのような傾向を感じた場合には早期に介護保険を申請するなどし、デイサービスなど外と繋がれるような環境を作ってあげるって言ったことが重要だと思います。

また、体力の低下入院などがきっかけで一気に認知症を発症するという方も少なくありません。

今までと違った状態や生活環境を強いられることで、認知力が低下するというかったけことがよくあるので、そのような場合にはご家族が注意してご本人の様子を観察しましょう。

また生活の様子を見ていて、少しでも「変だな・いつもと何か違う」と思った段階で専門病院へ受診し、適切なサービスを整えてあげるようにしましょう。ちなみに「認知症」の診断があるかないかで、介護度の認定が重くなったり、入居できる老人ホームの幅も広がるというメリットがあります。

受診は早いに越したことはありません。

まとめ

認知症予防について、最後にまとめてみたいと思います。

認知症予防で大切なこと
  • 認知症予防に認知症予防保険は効果なし
  • 認知症を予防したいと思ったら、生活環境を見直すこと
  • 体力の低下や入院などで一気に認知症が発症する恐れがある
  • 家族ができることは、生活状況を見守ることと異常を感じたら早期に対応すること

ご家族がこのように親の生活状況をしっかり注目していれば、この認知症予防保険よりもかなり大きな認知症を予防できる効果が期待できるといえます。

「保険に入ったからいいや」ではなくを家族がちゃんとご本人の生活状況を把握して適切な対応をとれるようにしておきましょう。

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