今日、堀ちえみさんがステージ4の舌癌だということをSNSで公表されました。

きっと多くの人がびっくりして悲しいだのではないでしょうか?

私もこのニュースを聞いて、とても悲しい気持ちになったのですが、この文章に綴られた経過を聞いてふと気になる点がありました。

それは堀ちえみさん自身が、体の異常に気付いたのが全く遅すぎる時期ではなかったということです。

舌癌は堀さんのように口内炎などで始まる症状が多く、早期に治療すればちゃんと完治する癌でもあります。

しかし、堀さんは早期に病院で診てもらったり、かかりつけの歯科へ受診したり、またリウマチでかかっているかかりつけの先生にも相談しているにも関わらず、なかなか癌という診断に結びつけることができませんでした。

その結果、長い間症状があるにも関わらず、適切な治療がされないまま放置され続け、結果的にリンパ節へ転移するという悲しい結果になってしまったのです。

でも堀さんのブログを読んで、堀さん自身の前向きな姿には本当に頭が下がります。

自分の意思をしっかり持ち、早期に家族と話し合い、そして家族全員で病気と戦っていくという決意した堀さんの姿は本当に素晴らしいものだと思います。

今回は私は1人の看護師として、一般の方が「気になる症状があってなかなか治らない」とか「もしかしたらもっと重い病気なんじゃないか」と不安に感じた時に取るべき行動についてお伝えしていきたいと思います。

初診でがんがわからないのは当たり前?2次受診が何より重要

まず、堀さんの例からすると、口の中に口内炎ができたという症状で、最初に受診をしていますが、まずはそこでは口内炎としてお薬を処方されておしまいになっています。

まずこの段階でガンかもしれないと思う医師はほとんどいないと思います。

私も外来で様々な患者さんのの受診に立ち会ってきましたが、風邪のような症状や口内炎のような軽い症状で初診でかかられた患者さんを「癌かもしれない」と疑うっていうことはほぼありません。

だから最初の受診である「一次受診」では、このような見落としは病院側としては当然と言わざるを得ません。

 

ですがその後治療をしてみてなかなか治らないとなった時に改めて受診をする病院やクリニックでがんの診断につながるかどうかが重要な分かれ道になるといえます。

受診については看護師視点で別記事にまとめています。

「治療してみてもよくならない」そうなった時の受診先で未来が変わる!

例えば堀さんのように口だか耳だかよくわからないような場所の症状があって、どこを受診すればいいのか分からないという方には、地域にある総合病院の総合内科や総合診療科などの受診がおすすめです。

その理由は、もしそこで診療範囲ではないと判断されたとしても、その総合病院の中にある他の診療科(例えば耳鼻科や皮膚科など)へ「コンサルト」と言って病院内で紹介してもらうことができるためです。

これがクリニックなどの小さな病院だと1つあるいは少数の診療科しかないため、そこでの判断しかできずに終わってしまいます。しかし総合病院など複数の診療科が入っている病院では、他の診療科へ紹介してもらうことで、そこで診断診察が終わるのではなく、さらに詳しい精密検査を受けることができるのです。

 

ちなみに私が働いているのもこのような中規模の総合病院になります。

日々、「何かよくわからないけど体調がおかしい」「いろいろな医者にかかったけど、よくならない」というようなまさしく堀さん状態の方が多数来院し、その日のうちに精密検査を受けることができています。

そして総合内科や総合診療という診療科はまさしくそのような患者さんを診るようなためにある診療科です。

それらの科の医師は「癌があるかもしれない」という視点で診察をしてくれています。

 

そして全身をくまなく検査することで、他の病院ではわからなかった症状が、結果的に早期にがんと診断出来たり、他の病気であるとわかることで、患者さんは安心してその治療に向けて頑張っていくことができます。

もし自分の病状などに不安が感じた場合には、ぜひ地域にある総合病院へ受診してみるようにしてください。

いきなり大きな総合病院へ行くのはダメなのか?

癌かもしれないと思うとすぐさま大きな病院で精密検査をしてもらいたいと思いますよね。しかし、大きな病院ではなかなかこういった初診の方は受け入れてもらえないことも多く、紹介状などがないと、門前払いのように「帰ってください」って言われることもよくあります。

そうなると受診するのも無意味になってしまうし、肝心な検査をしてもらえることができません。

堀さんのようにすでにしこりが大きくなり始めていて、明らかに異常な症状が出ていれば別ですが、単純な症状で詳しく検査をしてもらいたいという場合には、大きな病院ではなく地域にある中規模くらいの総合病院がベストといえるでしょう。

堀さんは本当に悔しいと思うし助けてあげたかった。

ここからは私の想いになりますが、あのブログを読んで本当に胸が痛くなりました。

仕事終わりの帰り道、ニュースで知って涙が出ました。

 

まだ50代。

それなのにステージ4と宣告されて、どんなにつらかったか。

そして一次は治療をしないと悩んだということも聞いて、本当に辛いし未来がみえなくなってしまったんだと思いました。

さらに経過を聞けば聞くほど、がんの診断につながるチャンスがことごとくつぶされてしまっている・・・

 

こんなに悲しい話はないと思います。

もっとあの時・・・

それは堀さん自身が一番痛感していることではないでしょうか。

本当に辛い。医療者としてももっとサポートをしてあげたかった(遠くてできないけど)

 

でもきっと堀さんのように今も悩んでいる患者さんは、日本にはたくさんいると思います。

そこで私には何ができるのか?何が伝えられるのか?そう思ってこの記事を書かせてもらいました。

 

堀さんには1日でも長く明るく前を向いて生きて欲しいと思います。

ステージ4なら甘いことは言ってられないということは看護師としてよくわかるから、このさきずっとなんて言えません。でもこの先の人生、堀さんらしく、家族と生きて欲しいと願うばかりです。