実は先日、私の仕事の中で90代で1人暮らしをしてる高齢者の方の支援をさせていただきました。

その方はお子さん達は全て東京都心部に住んでおり、その本人のご自宅からは車や新幹線などで1時間以上かかってしまう距離。

ですがなぜかご家族は終始笑顔で何も心配していません。

「本人のしたい通りにさせたいだけですから」

とおっしゃっていたんです。

なぜこの方は90代でも元気に一人で生活ができて、家族も安心して自分たちの生活を送ることができたのでしょうか?

今回はこの方のケースを通じて、親に元気で自立した生活を送ってもらうことで、子供たちも介護の負担をなくし、親子それぞれが自分らしく生きるための秘訣を考えてみたいと思います。

90代でもしっかり介護サポートを整えることで一人暮らしは可能になる

 

今回は治療で入院をされたんですが、治療が終わるとまた元の自宅に戻ることになりました。

 

『90代1人暮らし』

と聞いただけで、私たち医療スタッフのほとんどが

 

 

ちょっと無理なんじゃない?

新しく施設を考えたり、誰かと一緒に住んでみるとかの選択肢はないの?

 

という視点から考えていたんです。

 

ですが子供さん達の意見を聞くと、息子さんも娘さんも

 

『今まで通り自宅で本人らしく生活をさせてあげたい』

 

って言うんですよね。

 

こりゃぁ、家族は本人の生活の現状がわかっていない!

もう一度しっかり今時点の体力や動きの状態、一人で生活をしていくリスクをしっかり家族に考えてもらわなくては!!!

 

こう感じたわけです。

 

実際に退院になる直前に、担当者会議が開かれました。

 

すると、生活をずっと見守ってきたケアマネージャーさんもその方のご家族の気持ちを尊重されて、

「今まで本当に元気でご自宅で明るく過ごされてきた方です。私達も全力でサポートしていくので大丈夫だと思いますよ!何かあればまた病院にお世話になると思いますが、よろしくお願いします。」

 

と、一人暮らしに賛成するじゃないですか・・・

 

そこにご本人も同席されていたんですが、とてもにこにこして嬉しそうなんです。

 

ここでようやく私も、この方は本当に周囲の人々に支えられて、自分の生き方をされてきた方なんだということがわかりました。

 

ご本人は趣味をいくつも持っていて、毎日のようにその趣味のために家から外出されてご近所のお友達と交流されているんだとか。

私はこの家族とご本人の生活状況を見て、これって理想の1人暮らしだと感じました。

 

高齢者だからという理由だけで住処を奪ってはいけない

ちょっと堅苦しい話になりますが、今の日本は介護保険や地域包括ケアを推進して途中で自分らしく生きていける社会を作り始めているところです。

 

この方のように90代と超高齢になっても、自分の生活や意志を尊重し、そして家族や周囲のスタッフがそれを全力でサポートしていけるような社会がきっとこれからの日本には必要だと私は感じています。

もちろん施設のほうが安心できるのであれば、それでもいいし、家に居たいのであればその考えは尊重されるべき。

 

このように終の棲家の選択肢は、複数あっていいんだと思っています。

そしてそれを支えていくのがケアマネジャーやヘルパー、訪問看護師、診療医などさまざまな職種での在宅チームということになります。

90代高齢者が一人で生活をするために必要な介護保険のサービスとは

では実際にその90代の方が、自宅でどんなサービスを使っていたのかを参考までにお伝えしたいと思います。

 

あくまでこのサービスの利用は、個人の生活状況や状態によって変わってくるので、同じようにサービスを利用したからといって、あなたの家族も安心して過ごせるようになるわけではありません。

 

まずはしっかりケアマネジャーなどをはじめとした相談員に相談し、ご本人の状況を踏まえてどのようなケアプランで進めたほうがいいのかをしっかり話し合っていくことが重要です。

90代の一人暮らしの方が使っていた主な介護のためのサービス

このように家族や社会的サービスなどさまざまなサポートを取り入れて、うまく活用していることがわかりますよね?

 

ご家族も、遠く離れて遠方介護ではありますが、決して本人のことを見放しているわけではないこともお分かりになるかと思います。

 

デイサービスを利用しない土日は、必ず1時間以上かけてご本人の自宅に交代で付き添うようにして、本人とのかかわりを楽しんでいる状況でした。

 

これで子供らが全て、

「サービス担当者などに介護を丸投げ」

という形では少し納得いかなかった部分はあるんですが、お子さん達全員が本人の思いを尊重し、一番に考えて、そして家族も含めたぜサポートを考えている点がとても素晴らしいと思いました。

「いずれは施設・老人ホーム」という考え方の余裕

この方はずっと自宅にいたい!

死ぬのも自宅がいい!

 

という希望はありませんでした。

 

「できる限り自宅で元気にやっていきたい。子供らに負担が大きくなったら、施設に入るよ。」

 

とおっしゃっていて、自分の生活が限界に感じたら自ら老人ホームなどの施設へ入居することを希望されていたんです。

このように

 

「ダメだったら施設」

 

という選択肢を残しておくことで、家族も介護のストレスやプレッシャーを感じすぎずにうまく付き合えていたのではないでしょうか?

実際に入居する予定の施設もいくつか希望が定まっており、親子でしっかり今後のことが話し合われている様子でした。

家族が知らない終活の想いとは

この記事にも書かれているように、いざとなってからでは遅い「終活」の話を元気なうちからされているとても理想の家族だと感じました。

老人ホームに入居させる目的とは?どんな理由で施設への入所を決めるのか?

 

90代の超高齢でも一人暮らしを叶えるために必要なこととは

今の社会はこのようにたとえ1人暮らしでも最後までその人らしく生きられるようになりつつあります。

 

今まででは考えられなかったことです、少しずつ介護や見守りのためのサービスが整備されたことで、足腰が弱った方でも自分らしく生活し続けることは可能になっています。

 

最近はご家族の方が不安に思いすぎて、まだまだ元気で社会的な活動もされている高齢者の方でも

 

「遠くに住んでいて心配だから」

 

という理由だけで施設入居をご家族が主体的に進めてしまうことも少なくありません。

 

もちろんそれでみんなが安心して生活できるのであればいいんですが、ご本人が納得しないまま無理やり施設入居になってしまったというケースも実際はあります。

 

なんでも施設に入居すれば安心丸く収まるということではなく、

 

本人がどのように生活したいか

どんな夢や将来のことを考えているのか

 

をまずはよく家族で話し合い、この方のように家族や社会を社会サービスが一体となってできるサポートを考えていくというのも、方法の一つではないでしょうか?

今回の方は私も嬉しくなったので、皆さんにお伝えしたくて書かせてもらいました(*‘ω‘ *)