要介護認定をわかりやすく解説 した方がいい人・してはいけない人とは

要介護認定とは

要介護認定とは、介護保険の給付を受けるために市町村に要支援認定・要介護認定を申請し、「要支援、あるいは要介護状態」と認定してもらうことをいいます。

 

これは介護保険を支払っている65歳以上の国民はすべて申請をすることが可能です。

つまり65歳以上で介護サービスを利用したいと思えば、すぐに誰でも申請が出来るということになります。

(40歳以上でも特定疾病とよばれる病気等診断があれば、特別に申請することも可能になります。)

しかし申請したとしても、「要支援・要介護」と認定されるかどうかは別の話になります。

 

要支援・要介護状態とは

 

では要支援・要介護状態とはどのような状態なのでしょうか?

要支援状態とは

体や精神の状態が低下があり、日常生活において常に介護を必要とする状態ではないものの、その状態を軽減もしくは悪化させないための支援が必要な状態。

またその期間が6か月以上見込まれる状態のこと。

 

要介護状態とは

体や精神の状態が低下があり、日常生活において常に介護を必要とする状態。またその状態が6か月以上見込まれる状態であること。

 

 

つまり要介護の方が要支援よりも介護が必要で、状態的には重いということになります。また6か月以上継続が見込まれるということが条件で、一時的に状態が悪くなっている状態では認定されないということになります。

 

認定されない場合とは

 

実は申請すればすべての方が要支援・要介護に認定されるわけではなく、日常生活が自立しており、特に何も支援が必要ない状態と判断されると「非該当」という結果になることもあります。

 

この場合介護保険を利用することは出来ませんが、どうしてもサービスを利用したい場合には保険適応外で自費で利用できるサービスもあります。

手続き方法

 

65歳以上の場合には「介護保険証」を持参し、役所の窓口で申請書に必要事項を記入し、提出することで申請することが出来ます。

 

ちなみに必ずしも本人が行く必要はなく、家族であれば申請することは可能です。
もし家族が遠方に住んでいたり、身寄りがない場合には以下の機関や人でも代行申請が可能になっているので、相談してみましょう。

  • 地域包括センター
  • 指定の居宅介護支援事業所
  • 介護保険施設
  • 民生委員
  • 社会保険労務士
  • 成年後見人  など・・・

申請するとどうなる?

 

窓口で申請したからといって、すぐに認定されてサービスが利用できるというわけではありません。

申請後の大まかな流れについて説明します。

認定調査

役所で申請手続きが終わると、本人のところに「認定調査」のために調査員が本人のところでへ出向いて体の状態や生活の様子などを調査します。

 

時間は1時間程度で終わることが多く、もし入院中などの場合でも病院まで職員がちゃんと出向いてくれるため特に問題はありません。

 

 

この認定調査が判定に一番大きな影響を与えるというのが正直なところでもあるのですが、大げさに具合が悪いように見せたり、生活状況を実際よりも悪く申告しても、下記で説明する主治医意見書などの医師からの情報などもあるため、ちゃんと公平に判断されるようになっています。

 

実際よりも悪く見せようなどという悪意を持ったことはしないようにしましょうね。

 

主治医意見書

 

市町村は認定調査と同時に、申請書に記載された主治医に主治医意見書(全国一律のもの)と呼ばれる書類への記載をお願いします。

この主治医意見書には

  • 病気のことや症状が落ち着いているかどうか
  • 生活に必要な医療処置の有無
  • 認知症の有無などの心身の状態
  • 今後訪問看護や訪問薬剤指導などの医療サービスが必要となるか
  • ADL(生活が自立して送れているか)の状態  など

 

これらをチェック式などで細かく記載して提出しています。

 

 

認定調査と主治医意見書をもとにコンピューターと審査会で判断・協議

 

認定調査が終わり、主治医意見書が揃ったら、コンピューターで一次判定と呼ばれる判定をし、その後二次判定と呼ばれる介護認定審査会で、その一次判定が適正かどうかを協議していきます。

 

その結果、正式に介護認定がされるというしくみになります。

 

介護認定までの期間は?

 

介護認定は正式に伝えられるまで約1カ月かかるといわれています。

 

しかし1か月もサービス利用を待つ必要はなく、申請をした日から

 

「だいたい要支援〇・要介護〇くらいだろう」

 

というみなし認定のもと、サービスを利用することが可能になります。

 

このみなし認定はケアマネージャーなどが状態から判断し、ケアプランを作成していきます。

もし結果的にみなしと実際の判定が違っていた場合には、サービス利用料の差額を後で支払うしくみになっています。

 

申請後の対応と流れ

 

申請を済ませたけど、サービス利用や施設への入所を希望している場合はどうすればよいのでしょうか?

在宅ですごすには

自宅で過ごす場合には、在宅サービスというものを利用していく必要があります。

デイサービスやデイケア、訪問入浴、訪問看護などと呼ばれるサービスになります。

 

このようなサービスはケアマネージャーを選び、ケアプランを作成してもらうことで利用することが可能になります。

 

ですので、まずはケアマネージャーを見つけるということから始めて、利用したいサービスを相談してみましょう。

ケアマネの言いなりになってない?後悔しないために今すぐできる3つのこと

 

施設へ入所したい場合

施設を探して、入所を希望している場合には、その施設と連絡を取る必要があります。

 

正式な介護認定がされていないと相談できない施設もありますが、みなし認定のように大体の予測で入所の相談が出来る施設もありますので、根気よく施設を探していきましょう。

 

施設を効率よく探すためにはこのようなサイトを活用してみてもいいかもしれません。

老人ホームを自分で探すのは危険! 相談員が教える資料請求できる無料サイトと施設選びのコツ

要介護認定をするべき人としてはいけない人

 

ここからは意外と皆さんが知らない裏話になります。

 

要介護認定は介護サービスを受けるにあたっては必須なことでもありますが、中にはこれをすることによって不利益(というか無駄な苦労をする結果に・・・)を受けてしまう方もいるのです。

 

ではその仕組みについてお伝えしたいと思います。

 

施設入所やサービスを利用したい場合には原則申請するべき

 

ここまでも書いたように、施設へ入りたいとか、デイサービスに行きたい、ヘルパーを利用したいなど、介護サービスの利用希望があるのであれば基本は申請をしましょう。

 

しかし、要注意なのは元気過ぎてなんでも自分で出来てしまっている方の場合です。

 

自立出来ている場合は申請しても非該当や要支援程度しかならない

 

自分で歩いて、買い物にも行けて、何でも自分で出来てしまうような高齢者の場合、いくらヘルパーを利用したいと言っても、実際のところ自分で出来てしまっているのですから、要介護認定を受けたところで介護度が出るとは思えませんよね。出たとしても要支援くらいかと思われます。

 

しかし要支援と認定されてもデイサービスなどのサービスが利用できるため、ご本人は満足かもしれません。

それならとりあえず申請だけすればいいじゃん!と思うかもしれませんが、私が注意喚起をしたいのは、訪問看護やリハビリなどの医療サービスを利用する可能性がある場合です。

 

実際に要介護認定を受けて困ってしまったケース

 

実際に困ってしまったAさんのケースを紹介しましょう。

 

Aさんはもともと糖尿病がありましたが、内服管理で生活出来ており、生活もすべて自分で出来る自立されている方でした。そして、人と話すのが好きだったAさんは人との交流目的でデイサービスに行きたいと思うようになり、家族もその希望を受けて要介護認定を受け「要支援1」とされたのでした。

 

その後糖尿病が悪化し、入院して血糖コントロールをおこなった結果、退院後も自宅でインスリン注射が必須な状態に。しかし自分でインスリンを注射することに不安が強くなってしまったのでした。本来であれば、ここで「訪問看護」というサービスを利用して、退院後も訪問看護師が訪問することで安心して治療が出来るようにサポートをしていきたいところなのですが、Aさんの場合、ある条件が引っかかってしまうのです。

 

訪問看護は原則介護保険から利用する

 

訪問看護は医療のサービスですが、介護保険を利用している場合は基本的にケアプランの中に盛り込んで介護サービスと同様に介護保険の限度内で利用することになります。

 

もし介護保険を申請していない場合には、医療保険(3割~1割負担)で利用できることになっています。

 

 

Aさんの場合何が問題なのかというと

  • 要支援1となっており、ケアプランの中に頻回の訪問看護を取り入れることが出来ない。
  • プラン外の訪問はすべて自費

となってしまうため、何回も訪問看護を利用するとかなり高額の利用料がかかってしまうことになりました。

 

もしこれが介護保険を利用していなかった場合には、医療保険の適応となり1~3割の自己負担分で利用できるため、Aさんのケースよりは負担は少なく済むはずでした。

 

詳しく話すと「特別訪問看護指示書」というシステムもあり、(わかる方にはわかると思いますが)2週間はしっかりと訪問看護を利用してもらったのですが、その後の継続看護という点から見れば十分にサポートをすることが出来なかったケースといえます。

 

医療サービスを利用する可能性がある方は要注意

 

難しい話をしてしまいましたがつまりは、自立をされている方でも医療サービスを今後利用しなければいけないような病気を持っている方は、要介護認定する際に注意するべきといえます。

 

介護サービスを利用したいから、という理由で要介護認定を申請するのはもちろんいいことなのですが、元気過ぎる方はよく考えて利用しましょう。

 

まとめ

今回は要介護認定について書かせてもらいましたが、流れはざっくりとわかってもらえたでしょうか?

 

要介護認定は介護サービスを利用するために必ずしなければいけないことです。

でもわかりづらくてやりたくないという方もいると思うので、ぜひこの機会に手続き方法や流れを理解して要介護認定してみてはいかがでしょうか。